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焼きいちじくとアールグレイのタルト

まだ蝉の声が聞こえる8月中旬。
真夏のような日差しのなかにも、時折ふと吹く風に、秋の気配が混ざる季節になりました。

Tawanicoのショーケースにも、少しだけ季節の先を行く一品が並び始めました。
「焼きいちじくとアールグレイのタルト」。
毎年この時期を心待ちにしてくださっている方も多い、秋のはじまりを告げるタルトです。

果実味たっぷりのいちじくは、焼くことでその甘みと香りが引き立ち、まるで花びらのようにやさしく口の中でほどけていきます。
その下には、香り高いアールグレイの茶葉を練り込んだダマンド生地。
焼き上げることでベルガモットの香りが柔らかく広がり、紅茶の余韻がタルト全体にふんわりと溶け込みます。

土台には、今年から甘さ控えめのブリゼ生地を使用。
小麦の香ばしさとほどよい塩味が感じられ、全体の甘さを引き締め、果実や紅茶の香りを際立たせる役割を担っています。
ザクッとした食感と軽やかさが心地よく、暑い時期にも食べ疲れない仕立てです。

そして、中心にはこのタルトを特別な存在にしている層があります。
赤ワインで丁寧に煮詰めたシロップを加えた、自家製のサワークリームとカスタード。
ワインのコクとフルーティーな酸味が、サワークリームのさわやかさと合わさり、なめらかなカスタードとともにいちじくをやさしく包み込みます。
甘さに頼らず、香りと余韻で魅せる構成に仕上げました。

暑さが残る季節でも、重たすぎず、香りと酸味の余白で涼やかに味わえる一品。
冷たい紅茶やアイスカフェラテとも相性抜群です。

夏と秋が交差する、ほんのわずかな時間を閉じ込めたようなタルト。
季節のはざまに、ぜひ一度味わってみてください。