冬のプリンアラモードプレート
— 冬の山景色を一皿に映した、季節のデザート —
お皿の上にそっと広がるのは、冬の山へ歩み入ったような静けさと美しさ。
タワニコがこの冬に仕立てた「冬のプリンアラモードプレート」は、味わいだけでなく、自然の情景を閉じ込めたデザインにこだわった一皿です。
最初に目を引くのは、ゴツゴツとした表情をもつ“ほうじ茶メレンゲ”。
焙じ茶の粉を混ぜ込んで焼き上げ、茶色い岩肌のような質感を生み出しています。お皿の中央に点在するその姿は、まるで雪を待つ冬山の岩場のよう。スプーンで割ると「サクッ」と澄んだ音を立て、砕けた断面からほうじ茶の香ばしい香りがふわりと広がります。
この瞬間、小さな岩が崩れ、冬の空気がほころぶような錯覚すら覚えます。
岩場の隣で鮮やかに色づくのは、柿のソテーを“紅葉”に見立てたパーツ。
バターで軽く焼かれた柿は、ひとつひとつが橙色の葉のように艶めき、皿の上で散りゆく紅葉を表現しています。フォークを入れると、果肉が柔らかくほどけ、バターの香りと柿の濃い甘さがじゅわっと広がる。まるで足元に積もる紅葉を踏みしめた時のように、視覚から温度まで感じられるあたたかさです。
その山と紅葉を包み込むように、主役のプリンが大地のような安心感を与えています。
牛乳と生クリームのコクに、きび砂糖のやさしい甘さを重ね、湯煎でふんわりと焼き上げたプリンは、スプーンを入れると静かに震え、ゆっくりと形を崩していく。ひと口含むと、卵の豊かな香りとミルキーな深みが舌の上にとろりと広がり、そのあとからキャラメルのほろ苦い香りがすっと広がります。
冬の山に差し込む薄い光のように、やわらかくて淡い余韻が残る、クラシックでありながら品のある味わいです。 
プリンの隣には、キャラメルジャムを溶け込ませた濃厚キャラメルアイスが静かに寄り添います。仕上げに振ったフルール・ド・セルが小さな結晶のように輝き、ひとすくいするとアイスの冷たさと甘さの奥に、塩の粒が“パリッ”と小さく弾ける。
その瞬間、キャラメルのコクに立体感が生まれ、まるで冷たい冬の風が頬を撫でるようなキレのあるアクセントが加わります。温かい柿やプリンと合わせれば、冬の山の「冷」と「温」がひと口の中で交差し、一皿の世界観が完成します。 
さらに、みかんチョコパルフェが柑橘の香りで風を運び、クランブルやマロンクリームが地層のように奥行きをつくり、みかんジャムやココアの風味が遠くの木々を思わせる彩りを添えます。ほうじ茶メレンゲの岩肌、柿の紅葉、キャラメルの雪解けのような甘さが、冬の山景色をひと皿で描き切っています。
どこから食べても、まったく違う「冬の物語」がはじまる。
岩のようなメレンゲを割り、落ち葉のような柿をほおばり、なめらかなプリンでひと息つき、アイスの冷たい風を迎える。食べ進めるごとに、冬の山を散策するような静かな楽しさが訪れるデザートです。
見て楽しい。食べて驚く。
そして、食べ終えたあと、ほうじ茶とキャラメルの香りが、まるで山小屋のあたたかさのように、胸の奥にふわりと残る。
タワニコがこの冬に贈る“小さな冬景色”。
どうぞゆっくり、五感でお楽しみください。